2016-12-28

おぢさん系社会派アイドル『レ・ロマネスク』がやみつきになるわけ



みなさんこんにちは~mihomihoです!

先月初めて知人に誘われライブに行って衝撃を受けてから、どうにかこの素晴らしさを多くの人に知ってもらえないだろうかと思い続けて約2か月。

遂にこの日が来た~!
という感じです!

今回紹介するのは、なんとフランス・パリで最も有名なのではないか!?とも言われている超ド派手ポップ・デュオ、レ・ロマネスク!!



驚きの実績。パリでデビュー後、一躍有名に。





見るだけで目がチカチカしてしまうゴージャスな衣装に、強烈なメイク。


「一体、どこの惑星から来たのでしょうか?」


と質問したくなるぐらい異質感満載のレ・ロマネスク。


彼らの実績と魅力を知れば知るほど、なぜ今まで知らなかったのか!!!と驚かされるばかりです。

メインボーカルを務めるTOBIと「アシスタント」のMIYAは、2000年にパリで活動を開始しました。その後、口コミ等でじわじわと人気を集め、2008年にはあの、パリコレでライブも行ってしまうほどに!!!

そして、2009年、フランスの人気番組で披露した楽曲『ズンドコ節』がYouTubeにアップされ、フランス国内の再生回数1位、世界4位を記録したそう!!


歳は知りませんでしたが、フランスの歌番組は年齢もしっかり表示するようですね↑


それから世界に飛び出し、これまで12か国50都市(2016年12月現在)でライブを実施、2011年には、日本のフジロックにも出演しました。

現在は、NHK Eテレの「お伝と伝じろう」のメインキャストを務めながら、日本や世界を飛び回っています。

この強烈な2人が、パリのど真ん中にいることを想像して、思わずニヤけるのは私だけでしょうか?






日本人の私たちが知らない内に、実はヨーロッパ・フランスで大活躍し、人気を博していたレ・ロマネスク。

まだまだ知名度は低いけれど、確実に日本のメディアにも露出を増やし、コアなファンを中心に日本社会に浸透しつつあります。

私は、トレンドを先取りして、ブームになりそうな発掘アイドルを広めたいわけではありません。

では、なぜ彼らに注目しているのか。

それは、今の日本にこそ、彼らが必要だと思うからです。



目をそらさない。だけど痛快!


彼らの歌を試しに聞いてみてください。




何かに気が付きましたか?

そう、彼らの歌は、社会問題や、一般の大衆メディアが取り上げづらいテーマを中心として作られているのです。
これが、私が彼らを「社会派」アイドルと呼ぶ理由です。

例えば、私の大好きな曲の一つ、『拙者サムライダンディー』。

これは、ストーカーの心境を歌った曲です。

少しぞわっとする怖さもありつつ、ライブではなぜかノリノリでダンスしちゃっている自分がいる。


最近、ニュースでもストーカー犯罪の被害が増加していると聞きます。

犯罪者を主役にした歌なんてタブー視されるのが普通ですが、これがレ・ロマネスクの凄いところ。聞いている人の気分を害することなく、くすっと笑わせる曲に仕上げるんです。

これが、風刺やブラックジョークが大好きなフランスの国民性にマッチしていたのかもしれません。

『一粒のお米』もぜひ聞いてみてください!



ぼーっと聞けば「米好きのクレイジーソング」かもしれませんが、実は、農薬を使用しない合鴨農法などのオーガニック栽培に言及したり、余計な味付けはいらない。そのままお米だけの味を楽しもうというような、「純粋なお米の美味しさ」を伝えるメッセージが組み込まれているんです。

ライブでは、さらっと、「日本に生まれたからさ、お米、食べましょーよ」という発言も。

もちろん彼らはそれ以上の説明をしたりはしません。
でもきっと、近年、日本でお米が食べられなくなっていることに意識的なんですね。

深い!!!!!!!

全体的に、どの曲も、社会問題を扱い、それをかなりストレートに歌うのに(時には当事者になりきって)、なぜか後味が全く悪くないんです。

むしろ爽快。

この絶妙さが、レ・ロマネスクの魅力です。








アイドルだからって、つくらない


ライブに行って、一番に驚いたのは、見た目の強烈さからは想像がつかないほど、話し出すと普通であるということ!!www

その声をトークを聞くまで、私はてっきり彼らは声を作ったり確立したキャラクターを演じるのだとばかり思っていました。

この見た目で舞台に上がっているのに、むしろ友達や知り合いの人の話を聞いているような感覚になります。

さらに、ボーカルのTOBIさんは、自分の過去の経験を赤裸々に打ち明けます

人生の数々の失敗談、スリル満点の経験(ちょっとこれは異常)を共有してくれるから、こちらも共感し、親しみが湧くんです

実は、ライブには幅広い年齢の方々が来ていたのですが、特に4050代の男性が普通のライブに比べて多かったように思います。

様々な人生の挫折を味わい、それを超人的な見た目とパフォーマンスで、楽しく痛快に歌い上げてくれる彼らに惹かれる理由も納得です!

「上手い話にゃ裏がある~~♪」



「社会派」「ド派手コスチューム」「おぢさん」「パリで大ヒット」と、異質な要素ばかりを組み合わせ、今まで日本にはなかったミュージシャン像を打ち立ててくれるレ・ロマネスク。

まだほんの最近彼らに出会ったばかりの私ですが、彼らの哲学の軸は「LOVE&PEACE」であるように思います。

彼らが、社会問題を中心に歌っていると前述しましたが、レ・ロマネスクは、あえてこうした、普段取り上げにくい話題やテーマを歌にすることで、人々がそれらについて考えるきっかけを作ると同時に、聞く人の心に「平和の種」を撒いているような気がします。

私も最近彼らを知ったばかりで、まだレ・ロマネスクの魅力を開拓中です。こうして記事を書いている間も、彼らは、まだ自分の言語能力を超えた次元にいるような気がしてなりません。


これまでの日本にはない「新しさ」を感じるこのアンビリーバブルなポップデュオについて詳しく知りたい方は、とにかくライブに行くのが一番!!





ライブ情報は以下のHPでチェックしてみてください!

http://06ma9.com

Via:レ・ロマネスク,ほぼ日刊イトイ新聞,ロケットニュース




2016-12-25

楽しくてノリノリだけど効果てきめん!フードウェイストをダンスで蹴とばすDisco Soupって何だ!?


Disco Soupeより)





こんにちは、なんだか踊り出したい気分のmihomihoです。



早速ですが、



Join us in Bonn Square to chop, stir and eat delicious soup, all to live music! 
We'll be making soup altogether in the city centre, from produce that would otherwise have gone to waste, and all are welcome to join in and chop, stir and eat!
―みんなボン・スクエアに集まれ!材料をカットして混ぜて、美味しいスープを食べて、みんなでライブミュージックを楽しもう!
ここ、シティのど真ん中で、本来なら捨てられちゃう材料からみんなでスープを作るよ。カットだって混ぜるのだって、食べるのだって、誰でもウェルカム!―



みなさんは、こんな告知を見たらどんな気分になりますか?


これは、イギリス・オックスフォードで仕掛けられたあるイベントの告知。


今、ヨーロッパを中心に、最高にクールな食糧問題啓発系イベントが広がっています。



それがドイツのユース達の呼びかけによって始まったDisco Soup!!



Let's Disco!!
ある時のイベントチラシ!(Disco Soupeより)


そのDiscoが当日どんなものになるかは、イベント主催者次第。

街のど真ん中の広場かもしれないし、学校かも知れない。あるいは、本当にディスコだったりします。笑



参加者がすること?


とにかくノリノリで楽しく野菜やフルーツを切って、混ぜて、美味しく食べること!


以上!

ちょっと簡単過ぎましたが、本当にこれだけ。



でもこれじゃ良くわからない
手順を見てみましょう!

1. スーパー、市場、農家、レストランなどから「食べれるけど売れない」廃棄される運命の食料を救出
2. 皮むきピーラー、包丁、まな板で武装した参加者がノリノリで食料を調理
3. 用意された会場や広場で振舞おう!みんなで分け合って食べる
4. DJ、ミュージシャン、ipodなんでもいいよ!大事なミュージックは忘れずに☆


せっかくだから動画もぜひ!!雰囲気が凄く伝わります


      
(Youtubeより)








廃棄されるはずのフードを反食料廃棄運動の「主役」に

実は、これ、ドイツで食料廃棄をなんとかしようとしていたユースグループが2012年に始めたイベントなんです。
クラブに通う若者たちが、捨てられてしまうはずの野菜を集めてカットして、美味しいスープ、その名も‘protest-Suppe (プロテスト・スープ)’に変身させました。


発祥地、ドイツでのSchnippel Disko (Cut Disco) (Schnippeldisko Oldenburgより)


初めにこのイベントに反応したのはフランス。

ドイツでの取り組みを持ち帰った途端、フランス中にイベント開催の波が広がって、各地に支部が続々とできました。
201210月に行われたパリ・タウンホール前のDisco Soupには、5000人が集まったのだというから驚きます。


現在でもその勢いは衰えず、国内各地で頻繁に開催されています。

それから、ヨーロッパ各国、アメリカ、ブラジル、そしてケニアでも開催されるほどに!!
2016年現在、少なくとも25か国以上がDisco Soupを開催している模様!



ケニアの首都ナイロビ (Disco Soup Nairobiより)


きっと国によって、出来上がるスープもかなり違うはず!


それぞれの国でどんなDisco Soupが行われているか、参加してみたい!



楽しいだけじゃない。

Disco Soupについて取材しているShabnam Anvarさんは、このイベントがここまで多くの人に受け入れられ、成功している理由について4つのポイントをあげています。

1. 楽しい
2. とにかく熱い思いを持った主催者たち(フランスでは特に、幅広い人々に知られる食料廃棄の有名な運動家が参加)
3. チームワークとセンスのよさ
4. 良い例に習う+ポジティブな気持ちを持つ+協力し合う=変革が起こる
Disco Soupは人々に罪悪感を抱かせるのではなく、楽しむことから始めようと提案しています。


スープだけじゃなく、サラダや他の料理も!(Disco Soupeより)

さらにこのイベント、人々の間だけではなく、着実に政治にもインパクトを与えています。

例えば、フランスでDisco Soupを主催した方は、国会に呼ばれて食料廃棄について話したそう。

色んな人の努力が積み重なって、
事実、フランスでは、今年、国内にある大型スーパーに売れ残りの食料を廃棄することを禁止し、慈善団体へ寄付するよう義務付ける法律が成立しました。
これ、違反するたびに3750ユーロ(約48万円)が科せられるらしい....すごい!



私もたまに悩んだりするんですが、社会問題って、シリウスになりがちで、なんか話したり行動を起こそうとすると暗いムードに...(それも事実なのですが)

でも、Disco Soupは難しい社会問題をネガティブに捉えるんじゃなくて、どうやったらみんなで楽しく変えて行けるかを追求している。さらにすごいのは、その極地にあって、なおかつ社会にも大きな影響を与えている。



そのポイントは、単に「食料廃棄反対!」と訴えるのではなくて、「じゃぁどうすればいいか」を具体的なアクションをもって提示していることだと思います。

それで楽しかったら最高ですよね。


世界には、まだまだ面白いアイディアがありそう~~



2016-12-21

おいしい革命!映画Edible Cityを観て未来について語り合ってきた。

会場であるAsaba Art Squareの置物たち


みなさんこんにちは、mihomihoです。

ハリウッドやクラシック映画もいいけれど、私はノンフィクション映画が大好き!
学生時代は、たまに渋谷のアップリンクに出かけてはお気に入りの椅子を選んで映画を眺めたり、時には大学の図書館で友人と一緒に観て、その後ディスカッションしたり….

最近、カフェなどを利用した上映会やミニシアターを中心として、社会問題や面白いムーブメントをテーマにする映画が頻繁に上映されるようになってきました。

今回は、先日友人に誘われて参加し、大感動した上映会Edible CityAsaba Art Squareについて紹介します。



ガーデンからの革命

サンフランシスコ、バークレー、オークランド。いわゆる「ベイエリア」と言われるアメリカ西海岸の地域で、問題だらけのフードシステムに立ち上がり、空き地やコンクリートを「食べられる」ガーデンにしていく、そんな運動が市民によって広がっています。

以前、取り上げたせせらぎ農園の記事の中でも、世界では、コミュニティガーデンというみんなで耕す畑が増加していて、その始まりはアメリカであったと紹介しました。

この映画は、「食の砂漠」「肥満」など深刻な問題に直面した私たちと同じ市民が、まさにそのコミュニティガーデン、学校、商店などを中心に「おいしく」「楽しく」地域から世界を変えていこうとする草の根の運動を取り上げた映画なんです!

まずは予告編をどうぞ!




Youtubeより



見どころ


これから観る方もいると思うので、ここでは特に印象に残ったシーンだけを紹介!


1.コンクリートを破壊!!!

映画の前半で、いきなりコンクリートを破壊し、ガーデンを作り始める人の姿が映されました。

ここで観客である私たちの「常識」は完全に破壊されますwww


2.ヘルシーな革命が市民の力が政治を変える

映画で取り上げられる活動は全て畑を中心に回っています。カメラは、危機的な地球規模の食や環境を取り巻く問題を前に、自分たちの食べ物は、自分たちで、環境にも人にも優しい持続的なやり方で、地域で作っていこうという共通の信念のもと、様々な方法でそれを実現していく人々を写していきます。

上映会で振舞われた野菜。本当に美味しかった!
“We’re doing all this work for sustainable agriculture. And it works. And yet these are still small islands of sustainability. Even if you’re more resistant, more resilient, more sustainable, spread the wealth better, feed more people. It’s not enough just to be a good farmer and in fact you also need to be an advocate and activist. And you need to create the political will in order to make the changes that you need. 私たちは持続可能な農業のための運動をしているんです。そしてそれは現に成功している。でもこれらはまだほんの始まりでしかない。もし皆がもっとresistantresilientsustainableだったら、富はより良く分配され、より多くの人を養えるんです。農家でいるだけでは足りない。我々は同時に、提唱者であり活動家でなければならない。そして、私たちが望む未来のために政治そのものを形作っていく必要があるんです。 Eric Holt-Gimenez

“We know where power really lies. Power lies in people. 僕たちは力ってものが本当はどこにあるのか知っているんだよ。力はね、人々のなかにあるんだ。” Antonio Roman-Alcala

この映画では、市民の草の根の運動だけではなく、それに突き動かされ、変化しつつある自治体の様子も映し出されていました。

映画を観ながら、単に実現不可能な理想ではなく、地に足のついた運動をもって、地域を、世界を変えていこうとする人々のロジックと説得力に、そしてその勢いに、圧倒される自分がいました。





なぜベイエリア?

そもそも、こうした運動がベイエリアで起こった背景にはいくつかの要因があります。

まずは、様々な社会問題。
例えば、アメリカの多くの地域で今、食の砂漠(Food Desert)という現象が問題になっています。低所得者や高齢者が住む地域で次々とスーパーマーケットや個人商店などが閉店して生鮮食品が買える場所がなくなり、近くで食べるものと言えばファストフードしかない!という環境に住む人がたくさんいます。

オーガニックフードはお金持ちの嗜好品。

それは単にイメージだけでなく、現実でもありました。

新鮮で栄養のある食べ物へのアクセスを断たれることで、肥満や健康被害が悪化。犯罪や非行も常態化して、市民も、もう黙ってはいられない!とギリギリの状況。

日本ではまだそこまで顕著ではないかもしれないですが、同じようなことは起こってきていますよね….



説明中にお菓子の差し入れがっ!!



次に、歴史。
のちに紹介する鈴木栄里さんが上映後に詳しく説明してくれました。

ベイエリアは、昔から社会運動がとっても活発な場所だったそう!

歴史で習ったあの公民権運動に始まり、環境運動、平和運動と時代の流れと共にその運動も進化。

へぇ~知らなかった!!!
その時々の社会的、地球的問題に対して、世界でもいち早く声を上げる人々が住む地域、それがベイエリアなんですね。

そして、近年、その運動の主軸はFOODへ!!
Food Justiceを訴える人種差別を受けてきた人々による社会公正運動となり、現在では、Food Sovereigntyのための食糧主権運動の盛り上がりへと展開しているそうです。

こうした要因が重なり、政府の助けをもう待っていられない!自分たちで変えなきゃ!と奮起した市民が、ガーデンを中心に自ら運動を起こし、周りを巻き込みながら確実に政治に影響を及ぼしてきているんですね。


Asaba Art Squareの建物は、ガウディを思わせる



今やガーデンを作ることは政治行為になる

急速に発展したガーデンからの社会運動。
今やアメリカだけでなく、世界中、とりわけ「本来の食」から切り離された都市でどんどん広がっています。

鈴木さんは、今や「ガーデンを作ることは政治行為」だと言っていました。

人間の歴史からしたら、「食べ物をつくる」という生きていくために当たり前の行為が、政治行為になるほど特別になってしまったなんてすごく皮肉な話ですが、すごく考えさせられる言葉だなぁと思います。


これを求めていた!上映後のディスカッション

私がこの映画を紹介したかった一番の理由は、実はこの上映後のディスカッションにあります。

上映後、映画の解説をしてくれたのは鈴木栄里さん。普段はバークレーにいて、現地の様子もよく知るパワフルなアクティビスト(活動家)。

前述したベイエリアの歴史、世界の様々なガーデンからの革命を紹介してくれました。

この後、彼女のファシリテーションで、参加者は

・映画を見て印象に残ったこと
・やりたい!と思ったこと
・すでにやっている所(知っているなら)

について話し合いました。

映画を観て、見ず知らずの人とその映画について話すなんて初めてだった私には、これだけでとっても満足だったのですが、2つ目と3つ目のテーマにかけた鈴木さんの思いに感動してしまいました。

彼女は、この上映会を、個人のひらめきや思いと、また別の個人が既に持っている知恵や情報が結び付く場にしたいと言っていました。




ただ感想を言い合うのではなくて、それを互いが協力し、知恵を出し合うことで、明日から行動に移せる積極的な情報に変えていく。

「私の地元ではこんなことやってますよ~」
「えっそれ参加してもいい~?」

目の前で繰り広げられる新しい創造にすっごくワクワクしました!

上映会もこうして最高にクリエイティブな場になるんだなぁと思った一日でした!

Edible Cityが気になった方は以下のサイトから詳細がチェックできますよ~
希望すれば自分の地域で上映会もできちゃうらしい!